
今回のテーマは【乾燥肌のかゆみ】について!
乾燥肌のしくみを図解でわかりやすくまとめましたので参考にしてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
乾燥肌で【かゆみ】が起こる原因
乾燥肌とは、肌のバリア機能が低下した状態です。
バリア機能が低下した肌では、体内に異物が侵入しやすい状態になっています。
そして肌が異物を察知すると、皮膚の危険察知能力が上がり、神経がより肌の表面近くまで伸びていきます。
これらの肌を守ろうという体のはたらきにより、肌の感覚がより過敏になって、かゆみや炎症が起こるというわけです。


乾燥肌でかゆくなる原因
肌が乾燥するのは、
乾燥肌の原因
- 加齢
- 洗いすぎ
- 空気の乾燥
- 体質(アトピーなど)
- 無理なダイエット
などの5つが主な原因。
乾燥肌を放っておくと、紫外線などの外部刺激を受けやすくなり、大きな肌トラブルにつながります。
乾燥肌(かゆみ)のしくみ~細胞間脂質・NMF・皮脂のバランス~
肌(表皮)の角層には、角質細胞がレンガのようにならび、そのなかにはNMFという天然保湿因子が存在しています。
そのスキマをセメントのように埋めてくっつけているのがセラミドなどの細胞間脂質。
細胞同士をしっかりつなぎとめ、肌の水分をキープしているというわけです。
つまり肌は、
- 細胞間脂質(セラミド):水分を挟み込んで保持
- NMF(天然保湿因子):水分をつかまえる
- 皮脂:水分を閉じ込めて逃がさない
の3つのバランスがすごく大切!
これらのバランスが崩れると、肌の水分が失われ、乾燥してしまうという仕組みです。
乾燥肌(かゆみ)で起こるおそろしい負のスパイラル
乾燥肌★負のスパイラル
- NMFやセラミド量が低下
- 角層水分量の低下
- 肌バリア機能の低下
- 炎症を起こしやすくなり、ターンオーバーが早くなる(乱れる)
- 角化が不完全
- NMFやセラミドがつくられない
いちど乾燥してしまうと、NMFやセラミドが低下し、肌バリア機能が低下します。
肌バリアが低下すると炎症を起こしやすくなり、炎症が起こって角化が不完全になると、NMFやセラミドがつくられないという負のスパイラルへ突入します…。

乾燥肌(かゆみ)改善~1番大切な成分は【セラミド】~
乾燥肌や敏感肌に1番大切な成分は【セラミド】と言っても過言ではありません。
セラミドは肌の水分蒸発を防ぐ役割をもち、肌のバリア機能をつかさどっているためです。
セラミドの生成は加齢とともに減少し、50代では20代のおよそ半分になってしまうと言われています。
いちど加齢で減少してしまったセラミドを体の中からつくりだすのはむずかしく、外から積極的に補う必要があるのです。
セラミドの種類には、
- 動物性の天然セラミド
- 植物性セラミド
- 合成セラミド
- ヒト型セラミド
などがありますが、とくにおすすめなのは人間の肌にあるセラミドに似た構造である【ヒト型セラミド】です。
ヒト型セラミドにもいろいろ種類がありますが、
「セラミド3」、「セラミドEOP」などのように、【セラミド+数字(英字)】で表記されます。
とても高価な成分ですが、微量配合でも肌バリアを助けることができるうえ、肌に刺激にならないため乾燥肌・敏感肌にとても有効です。
乾燥肌(かゆみ)対策~スキンケア用品(化粧品)のえらび方~
洗顔料・ボディソープ
まずはしっかり泡立てて使うことが鉄則です。
どんな洗顔料やボディソープでも、ネットなどでしっかり泡立ててまさつを起こさないように洗いましょう。
細かい泡ほど、肌のよごれをやさしく落とすことができます。

こんな人は、もともと泡で出てくる洗顔ホイップやボディソープなどを使うようにすると良いでしょう。
また乾燥肌や敏感肌がひどい場合は、弱酸性のアミノ酸系洗浄料や、ベビーソープなどを使うのがおすすめです。
化粧水
化粧水をえらぶときは、保湿成分やモイスチャー成分に着目!
乾燥肌や敏感肌に効果的な成分は以下のとおりです。(表参照)
乾燥肌や敏感肌に効果的な成分 | 特徴 |
セラミド類 | 肌の水分を保つ。肌にとってとても重要な成分 |
ヒアルロン酸 | 真皮や表皮に存在する多糖類。持続性のある保湿効果をもつ |
アセチルヒアルロン酸Na | ヒアルロン酸誘導体のひとつ。ヒアルロン酸の肌なじみをよくし、保湿効果をアップさせている |
水溶性コラーゲン | 真皮に存在するたんぱく質。持続性のある保湿効果をもつ |
レチノール(ビタミンA油) | 角質の代謝・分裂を促進し、天然保湿因子を増産、肌の水分保持力を上げる |
ライスパワーNo11 | 皮膚水分保持機能の改善作用が認められている医薬部外品の有効成分 |
ヘパリン類似物質 | 肌の血行を促進し、角質の代謝を促すことで水分保持機能を改善する医薬部外品の有効成分 |
酢酸トコフェロール | ビタミンE誘導体。肌の血行促進作用や肌あれ改善効果をもつ |
アミノ酸類 | 水分となじみやすい保湿成分 |
PCA-Na | NMF(天然保湿因子)の代表的なアミノ酸系保湿成分 |
乳酸 | ピーリング剤などに使われる。若干肌刺激が懸念される |
グリセリン | 保湿力が高く、うるおいを長時間キープできる保湿剤 |
BG(1,3-ブチレングリコール) | 日本でもっとも使われる保湿剤のひとつ。低刺激性で、敏感肌用の化粧品などに多用されている |
ポリグルタミン酸 | 納豆菌などの微生物発酵によって得られるバイオ由来ポリマー。ヒアルロン酸Na以上の保湿効果と、NMFのもととなるフィラグリンを増やす効果がある |
ワセリン | 水分の蒸散を防ぐ効果が非常にたかい成分 |
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸 | ビタミンC誘導体のひとつ。セラミド産生を増やす効果や敏感肌で見られる神経線維の伸長を抑制する効果が確認されている |
グリチルリチン酸ジカリウム | カンゾウ(甘草)の根のエキスから得られる成分で、擬似ステロイド作用により、かゆみや炎症を抑制する効果をもつ |

乳液・クリーム・美容オイル・(オールインワン)
水分蒸発を防ぐ、エモリエント効果が高いものをえらびましょう。
乾燥などがひどい場合は、オイル・ワセリンなどが配合されているものがベター。
ただし、汗をかきやすい部分への使用はNG!
とくにアトピーの人は、ワセリンを塗ると汗が出にくくなり、自分の汗で炎症を起こす可能性があります。
夏場などの使用は注意が必要です 🙁
また、オールインワンを買うときは、配合成分ができるだけ少ないシンプルなものをえらびましょう。
ただし、肌の保水力が低下していると、オールインワンのみでは不十分です。
その場合は、化粧水と乳液(クリーム)を分けて使うようにしてください。
シートマスク
シートマスクを使うときは、使用時間をしっかり守りましょう。
長時間のせたままにしてしまうと、シートマスクが乾いて逆に肌の水分がうばわれてしまいます。
シートマスクの使用頻度は、週1~2回くらいがおすすめですよー 🙂
乾燥肌(かゆみ)対策~乾燥肌を改善する1番の近道とは?~
乾燥肌や敏感肌でおなやみの人は、まず洗顔料とボディソープの見直しをしてください。
どうしても保湿を重視したスキンケアに目がいきがちですが、乾燥・敏感肌を引き起こす原因は「洗いすぎ」も関係しています。
どれだけ保湿しても、乾燥してしまう…という人は、
ふだん使用している洗顔料やボディソープの洗浄力が高すぎて、肌に必要な保湿成分を洗い流してしまっている可能性が高いです。
洗顔やボディーソープの洗浄力を強さ別に以下の表にまとめました。
洗浄力 | 効果 | 成分 |
高 | 洗浄力が非常にたかい
(肌に負担になることも) |
ラウリル硫酸Na |
オレフィンスルホン酸Na | ||
ラウレス硫酸Na | ||
石けん(カリ石けん) | ||
中 | 低刺激ながら高めの洗浄力がある | スルホコハク酸ラウレス2Na |
ココイルメチルタウリンNa | ||
ラウレス‐4カルボン酸Na | ||
低 | 超低刺激だが、洗浄力はよわい | ラウロイルメチルアラニンNa |
ココイルグルタミン酸Na | ||
コカミドプロピルベタイン | ||
ココアンホ酢酸Na |
自分の肌に合ったものをえらぶようしましょう。
ぜひ洗顔料やボディソープを買うときの参考にしてくださいねー!

まとめ
乾燥肌まとめ
- 乾燥肌は、①細胞間脂質(セラミド)②NMF(天然保湿因子)③皮脂のバランスが崩れることによって起こる
- 乾燥肌は、肌のバリア機能が低下し、神経線維が皮膚表面ちかくまで伸びて過敏になることによって、かゆみや炎症が起こる
- 乾燥肌や敏感肌に1番重要な成分は【セラミド】
- スキンケア商品えらびでは、配合成分にも着目しよう【おすすめ成分:セラミド類、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸、ライスパワー】
- 保湿ケアだけでなく、洗顔料やボディソープでの「洗いすぎ」にも注意して
今回は以上です。
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ありがとうございました。