
名前:メンペコ博士
資格:スキンケアアドバイザー(日本スキンケア協会)
今回は男女ともに悩みの多い【顔ニキビ】について解説します。
突然ですが、ニキビに種類があるって知っていましたか?
ニキビの種類によって、スキンケア方法は大きく異なってきます。
正しいスキンケア方法で、しっかりニキビを治していきましょうね。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
顔のニキビ対策①【原因と種類】
顔ニキビの原因と種類
顔ニキビの種類は大きく分けて、
- 思春期ニキビ
- 大人ニキビ
- 慢性(重症)ニキビ
の3種類があります。
それぞれの特徴をまとめるとこんな感じ!
ニキビ
種類 |
思春期
ニキビ |
大人
ニキビ |
慢性(重症)
ニキビ |
年齢 | 10代 | 20~40代 | 年齢問わず |
出やすい部分 | Tゾーン
(おでこや鼻) |
Uゾーン
(ほっぺやあご) |
TゾーンとUゾーンの両方 |
ニキビ | 白ニキビ
黒ニキビ 赤ニキビ 黄ニキビ ニキビ跡 |
白ニキビ
赤ニキビ |
白ニキビ
赤ニキビ 黄ニキビ ニキビ跡 |
主な原因 | ホルモンバランスの変化による過剰な皮脂分泌 | ホルモンバランスの乱れ
不規則な生活習慣 乱れた食生活 乾燥によるターンオーバーの乱れ |
ニキビケアが不適切
まちがったスキンケアによる炎症 |

顔ニキビの種類別スキンケア方法
それでは、ニキビの種類別のスキンケア方法をご紹介します。
思春期ニキビ(10代)
一時的な皮脂増加による思春期ニキビは、洗顔が最も大切!
正しいスキンケアでニキビが緩和する場合もあります。
スキンケア方法は、
- 洗顔は朝と夜の1日2回
- 殺菌剤配合の薬用化粧品は週に1~2回の頻度で使う
- 油分を控えてしっかり保湿すること。
思春期ニキビのケアポイントは、肌を清潔に保つこと!
泡立てた石けんや洗顔料で、Tゾーンを中心にしっかり洗いましょう。
ニキビ用の薬用化粧品は、アクネ菌の増殖を防ぐため「殺菌剤」が配合されているものが多いです。
殺菌剤の即効性は高いですが、依存してしまうと皮膚の常在菌のバランスを乱し、慢性ニキビにつながる可能性もあります。
殺菌剤が含まれたスキンケアは、毎日ではなく、週に1~2回、皮脂が多いと感じたときのみ使うようすると良いでしょう。
アクネ菌は皮脂などの油脂を栄養にして増えます。
よってクリーム系の油脂を含んだスキンケアは控え、水分中心の保湿を心がけましょう。
抗炎症作用のある薬用化粧品もおすすめです。
効果 | 有効成分 | 特徴 |
抗炎症 | アラントイン | 皮膚の活性を促進して傷を治癒するはたらきをもつ |
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症効果のほか、敏感肌症状改善の効果もあるとされている | |
グリチルリチン酸ステリアリル | カンゾウ(甘草)の根に含まれる、擬似ステロイド作用による抗炎症成分 | |
ε-アミノカプロン酸 | 人工的に合成されたアミノ酸。抗炎症作用や止血作用をもつ。 |
ニキビに効果のある化粧水は以下の記事がおすすめです。
大人ニキビ(20代~40代)
大人ニキビは、肌の水分・油分バランスが乱れ、肌のバリア機能が低下しています。
スキンケアのポイントは、
- 殺菌剤配合の薬用化粧品はNG!
- 洗顔料は肌にやさしく、自分に合うものをえらぶ
- 抗酸化成分をプラスした保湿ケアが超重要!
大人ニキビは、思春期ニキビと異なり、肌のバリア機能が低下して起こるもの。
したがって「殺菌剤」配合の薬用化粧品は、肌への負担が大きいです。
気づかずに使いつづけると悪化することもありますよ 😥

こんな理由でさっぱりとした洗い上がりのものをえらびがち。
しかし大人ニキビの原因は、肌の油分が多いのではなく、水分と油分のバランスを崩しているからです。
さっぱりしたものというよりは、肌にやさしく、自分に合うものをえらびましょう。
また、油分が多いからといって保湿ケアをしないのはNG!
適切な保湿により肌バランスがととのい、ニキビにも効果があります。
洗顔をしたあとは、化粧水や乳液でしっかり保湿してくださいね 🙂
さらに化粧水や乳液をえらぶときは、抗炎症成分や抗酸化成分が配合されたものがおすすめです。
効果 | 有効成分 | 特徴 |
抗炎症 | アラントイン | 皮膚の活性を促進して傷を治癒するはたらきをもつ |
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症効果のほか、敏感肌症状改善の効果もあるとされている | |
グリチルリチン酸ステリアリル | カンゾウ(甘草)の根に含まれる、擬似ステロイド作用による抗炎症成分 | |
ε-アミノカプロン酸 | 人工的に合成されたアミノ酸。抗炎症作用や止血作用をもつ。 | |
抗酸化 | フラーレン | 紫外線にもつよい安定した抗酸化力をもつ成分 |
トコフェリルリン酸Na | 油溶性のビタミンEにリン酸を結合させ水溶性にしたビタミンE誘導体 | |
アスタキサンチン | ビタミンEよりたかい抗酸化力があると言われる。エビやカニ、鮭などに多く含まれる。 | |
ユビキノン | エネルギー代謝にかかわる重要な成分で、つよい抗酸化効果をもつ。 | |
リン酸アスコビルMg | ビタミンC誘導体のひとつ。 | |
リン酸アスコビル3Na | ビタミンC誘導体のひとつ。 |
ニキビに効果のある化粧水は以下の記事をご覧くださいね 🙂
慢性(重症)ニキビ(年齢問わず)
慢性(重症)ニキビは、思春期ニキビや大人ニキビにまちがったケアを長いあいだつづけた結果、肌の常在菌や角層状態に異常が出てしまった状態です。
ふだんのスキンケアだけでは簡単に改善できるものではありません。
ニキビ治療を専門としているクリニックや皮膚科での治療が必要になります。

顔のニキビ対策②【スキンケアの効果的な有効成分】
以下の表に、顔ニキビに効果的な成分をまとめました。
はたらき | ニキビに効く有効成分 | 特徴 |
皮脂分泌抑制 | ライスパワー | 認可済みの医薬部外品有効成分。皮脂分泌の抑制が実証されている |
ピリドキシンHcl(塩酸ピリドキシン、ビタミンB6誘導体) | 皮脂を抑制する効果のあるビタミンB6の誘導体。欠乏すると脂漏性皮膚炎などを起こすと言われる | |
ヒドロキシデカン酸 | ニキビの元となるコメドを溶解するなど、皮脂分泌のコントロール効果が期待できる | |
抗炎症 | アラントイン | 皮膚の活性を促進して傷を治癒するはたらきをもつ |
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症効果のほか、敏感肌症状改善の効果もあるとされている | |
グリチルリチン酸ステリアリル | カンゾウ(甘草)の根に含まれる、擬似ステロイド作用による抗炎症成分 | |
ε-アミノカプロン酸 | 人工的に合成されたアミノ酸。抗炎症作用や止血作用をもつ。 | |
抗酸化 | フラーレン | 紫外線にもつよい安定した抗酸化力をもつ成分 |
トコフェリルリン酸Na | 油溶性のビタミンEにリン酸を結合させ水溶性にしたビタミンE誘導体 | |
アスタキサンチン | ビタミンEよりたかい抗酸化力があると言われる。エビやカニ、鮭などに多く含まれる。 | |
ユビキノン | エネルギー代謝にかかわる重要な成分で、つよい抗酸化効果をもつ。 | |
リン酸アスコビルMg | ビタミンC誘導体のひとつ。 | |
リン酸アスコビル3Na | ビタミンC誘導体のひとつ。 | |
殺菌成分 ※大人ニキビには注意が必要
|
イソプロピルメチルフェノール | 幅広く使われる殺菌剤。アクネ菌やマラセチア菌に対する効果も確認されている |
シメン‐5‐オール | 幅広く使われる殺菌剤。アクネ菌やマラセチア菌に対する効果も確認されている | |
イオウ | 角質軟化作用が高い | |
レゾルシン | 殺菌効果のほか、角質溶解作用がある | |
サリチル酸 | 殺菌効果のほか、角質溶解作用があり、ピーリング剤としても使われる |
ただし殺菌成分は注意が必要です。
思春期ニキビには効果バツグンですが、大人ニキビには刺激がつよいため使用には慎重に!

顔ニキビができるメカニズムとは?
ニキビのはじまりは毛穴の詰まり。
毛穴に詰まった皮脂を栄養に、皮膚常在菌の「アクネ菌」が増殖します。
そして増えすぎたアクネ菌が毛穴のなかで炎症を起こしてニキビになるのです。
とくに顔のおでこから鼻にかけての「Tゾーン」と呼ばれる部分は皮脂分泌が多いため、ニキビができやすいと言われています。
ニキビ跡にならないためのスキンケア~顔ニキビ対策~
ニキビ跡にならないためのスキンケアは、
- ニキビのスキンケア用品は【ノンコメドジェニックテスト済み】をえらぶ
- 規則正しい生活習慣
- 皮膚科での治療(薬)
の三本柱が基本。
まずは自分でできるスキンケアから。
油分の多いスキンケア用品は、ニキビを悪化させる可能性があります。
そんなときは、「ノンコメドジェニックテスト済み」と書かれた商品をえらぶと良いでしょう。
ノンコメドジェニックテスト済みとは、ニキビができにくい成分でつくられた商品です。
パッケージの裏などに書いてあるのでチェックしてみてください。
〈関連記事〉
次に生活習慣!
食事においては、GI値やGL値と呼ばれる血糖値を急激に上昇させるような食べ物は、ニキビに関連があるとされています。
そのため、牛丼やファーストフードなどの手短に食べられるものではなく、定食などのバランスのとれた時間をかけて食べる食事のほうが良いでしょう。
また、睡眠不足も肌に悪影響ですよ。
肌を元気にするため、しっかり睡眠時間(最低6時間以上)を確保してください。
最後は皮膚科での治療です。

こんな人は、ニキビが重症化している可能性が高いです。
早めに専門のクリニックや皮膚科に相談することをおすすめします。
正しい治療薬を服用すれば、ニキビがニキビ跡になってしまうリスクを大幅にへらすことができます。
顔のニキビ跡をどうにかしたいときの対処法

こんな人は、皮膚科の治療薬だけではきれいにならない可能性が高いです。
すなわち、美容皮膚科での治療が必要になってきます。
美容皮膚科で受けられるニキビ治療はこちら。
ニキビ治療の種類
- レーザー治療
- マイクロニードル
- ケミカルピーリング
レーザー治療
レーザー治療は、ニキビ跡の治療としてスタンダードな治療法です。
非常に微細なCO2のレーザービームを肌に照射させる「フラクショナルCO2レーザー」が一般的。
およそ1mmの深さで皮膚を蒸散し、熱を加えることで新しい皮膚をつくります。
新しい皮膚が形成されるまではおよそ数カ月かかり、赤くなってかさぶたが取れるまでのダウンタイムは数日から1週間くらいです。
1度の治療で終わることは少なく、何度かレーザー治療を受ける必要があります。

マイクロニードル(ダーマペン)
マイクロニードル(ダーマペン)は細かい針をローラーのように肌に刺す治療法です。
肌に針を刺すことで、コラーゲンの増生をうながし、肌の再生によってニキビ跡を改善します。
針を刺す深さは、ニキビ跡の治療だと平均的に1.0mm~1.5mmくらいです。
しかしニキビ跡がひどい状態だと、針の深さは2~3mm程度となり、出血も多くなります…。
CO2レーザーよりもダウンタイムは2~3日とみじかいですが、1回の治療だけでの改善はむずかしく、複数回治療を受ける必要があります。
また保険適用外のところが多いため、治療費は高くなる傾向があることが注意点です。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、つよい酸性液剤をつかって、皮膚の一部をはがし、肌の再生を促す治療法です。
現在も顏にアクティブなニキビができている人には、ニキビをできにくい状態にできるのでおすすめ!
しかし時間が経ってしまったニキビ跡には効果がイマイチ…。
ニキビ跡の経過時間などによって、医師と相談しながら治療法をえらぶようにしましょう。
まとめ
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。